雑楽人生マチャブロ
ーNY帰りのミュージシャン、マッシーの雑楽日誌ー
初めまして。ロビンのマッシーです。
雑楽ブログ始めました。
日々のくだらない事や、音楽のこと気が向くまま書いて行くよー。
今日はNYで出会った僕の人生を変えたオバハンの話します。
海外生活にも慣れて来た頃、僕は毎日のようにジャムセッションに行ってました。
NYのジャムは熱くて、フォーク、ジャズ、ブルース、ポエム、ラップ等ジャンルを超えてミュージシャンが音で会話します。稀にサプライズで著名人が参加したりもして、武者修行には持ってこいな訳です。
ジャムセッションにも熟れて来てミュージシャンやホストバンドにも徐々に気に入られ、だんだん自信を持って来たある日のことです。
その日はThe Bitter Endっていう老舗のライブバーでセッションがありました。メンバーのみんなと軽く打ち合わせて何曲か演奏していると、ステージに向かって凄い形相でなんだか喚いてるお客さんがいました。
今日は変わった人もいるなーとか思ってギター弾いてると、
『出しテェー、もっと出しテェー!』
と、叫び声が聞こえてきます。
日本語ですか!?と驚いてたら、だんだん声が大きくなって来て振り返ると
僕の目の前にボサボサの小汚いオバハンがいたのです。
彼女は止まりません。
『あんた!出しテェー、もっと出しテェー!』
鬱陶しいなーとか思いながら無視してると、しまいにはステージに上がって僕の横に座り込んで『もっと!もっとゥー』と訴えかけるのです。
その時気づきました。
このオバハンは俺に言っている…間違いなく俺に訴えかけている…。
最初は気持ち悪いなぁーと思ってたけど、なんかだんだん腹が立って来ました。
こなくそ、とばかりに超絶ソロフレーズをバックのリズムに合わせていく。
そしてタイミングを見計らって泣きのチョーキング!!
ギゥォぉぉぉ〜ーンと一発!
これでどうや!
彼女はスッと立ち上がり無言で去っていきました。
僕は内心やってやったぜと思いました。
そして僕の出番も無事終わり、店の外でタバコを一服してると
さっきのオバハンがやって来てこう言いました。
『あんた日本人やろ。さっきの演奏あかんね、指動くかもしれんけど、ただの猿真似やね。』
『魂込めて弾いてる?。魂がない音楽はエンジンのない車と一緒や。もっと出せると思ったんやけどね。残念やね。トヨタが泣くね』
なんだこれ?なんで俺こんなこと言われなきゃいけないの?
ものすごい腹が立ったけど、何も言い返せない自分がいて、僕は逃げるように帰りました。
それから暫く彼女の言葉が脳裏に響き自問自答の日々が続きます。
魂 → ギター → ギター魂???
僕の演奏の何がダメなのだろうか、ビートには乗れてた、スケールも外してなかった。
フレーズのタイミングも悪くなかった。気持ちも入ってたはずだ。
いや待てよ。
それ以前に僕は形式で音楽をしてたかもしれない。それは確かにただの猿真似で俺自身何かを表現する意識で演奏はしてなかったのではないか?自分とは何か、自分は音楽を通して何を表現したいか、そんなことは微塵も考えてなかったかもしれない。
葛藤を経て僕はNYでオリジナルソングを作って活動する決意をしたのです。
最初は受け入れるのに時間がかかったけど、今考えるとよく彼女の言ってた事よく分かります。
オバハン、
いや、
オバハン様のおかげで今の僕があるのです。
ありがとう。
そして今も元気にNYの路地裏で若手ミュージシャンに絡みつづけててくれ!
マッシー、ブログ楽しみにしてます
早速しびれたわ。
なんておばはん。。。しかも日本人とは・・・・
まいちゃんありがとー!ブログ楽しい!俺もまいちゃんの毎回楽しみにしてるよー!